TRONプロジェクト

 コンピューターに関わるお仕事をされている方ならご存知だと思いますが、坂村健という先生がいらっしゃいます。岩波新書「ユビキタスとは何か」というベストセラーの著者で、今から20年ほど前にTRONプロジェクトを立ち上げられました。

 

 ちょうどそのころ坂村先生による『痛快!コンピュータ学』という一般向けの入門書が出て(この写真)、私は買って読んだことがあります。内容は、コンピュータの出来た話、その仕組み、データの意味など、基礎から分かるものでした。20年経っても内容は色あせないし、むしろ、現在ウィンドウズというOSで、ゲーム感覚、テレビのチャンネルを替える程度の認識でパソコンを扱っている人は、もういちど、こんな本を読んでフィードバックしてみるのも良いかもしれません。よりウィンドウズとはパソコンとは、が理解できます。TRONプロジェクトの事も、最新の話題として説明されています。

 

 現在では、このTRONという組み込み型OSのシェアは世界中の60%なんだとか(世界標準のシステムとして数年前に認定されているそうです)。しかも我々が日常使っているパソコンやスマートフォンにも別のOS(オペレーション・システム)が組み込まれていますが、それらはコンピュータ全体のわずか5%くらいで、大半は、産業機械や自動車、家電製品などに組み込まれているOSなんだそうで、日本人の開発したシステムのシェアが60%を占めているとは驚きです。