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亀岡商工会館

 本日、保津川縁にある亀岡商工会館へ行ってきました。若手の写真家数人による写真展があったからですが、行った理由は、どちらかというと写真展というよりも、普段は入れない朽ちかけた近代建築の現状を確認するのと、そこから今年新たに完成したすぐ側に建っているサンガスタジアムが、どのように見えているか、という2つでした。

 2年ほど前にも文化資料館の講座で見学会があって参加したのですが、その後、スタジアムも出来て、そこからの眺めはどんなものか確かめたかったのです。

 この商工会館は昭和33年に建設され、当初は、保津川下りの乗船場やレストランを備えた「保津川観光ホテル」として開業したものです。開設当時は賑やかな施設で、保津川下りを後押しするような場所だったのですが、運営していたバス会社の倒産や、大阪から阪急電車を延ばしてきて観光につなげよう、といった計画の頓挫、等々、だんだんとその機能を失っていったのです。現在は、亀岡市商工会の所有となっているようですが、老朽化した建物では、あまり恒常的には使われていません。ただし、そのレトロな風情から、前衛的な芸術作品を展示したり、パフォーマンスを披露するスペースとして時々使われているようです。今回も、その一環での開催だと思われますが、いずれは解体される予定らしいので、見納めか、と思いつつでした。

 風化が進んだ壁や窓、ホテルの一室として使われていたであろう畳敷きの部屋、フロントがあった場所でしょうか旅行会社のロゴマーク、草に覆われた喫茶店の看板、等々、どの断面を見ても、栄枯盛衰を感じるに十分な見所があります。また窓から南方向には間近にサンガスタジアムと、すぐ側に完成予定のビジネスホテルの建設現場も見えます。

 ここは、亀岡の「今」を見るとともに、過去の残像を感じるランドマークとして、出来れば残しておいてほしい建物です。FBより